「ローマ亡き後の地中海世界」上・塩野七生著(一神教が地中海に二つある場合)
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作成日時 : 2008/12/27 22:51
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地中海でキリスト教とイスラム教が攻めぎ合うとき、歴史はどう動くのか、そして海賊という大きな存在についても著述されていました。以前塩野さんの書かれた「レパントの海戦」「ロードス島攻略」、さらにルネッサンス著作集から「海と都の物語」と本書との関連が本文に記されていましたので、読み比べながら見られるとより理解が深まると思いました。
宗教対決は決して話し合いなんかじゃ解決しないし、今もって問題山積なのだから、未来永劫キリスト教とイスラム教は戦い続けるんでしょうね。時代を超えて、場所を超えて、宗教はやっかいです。細々とした歴史的事象を考察しても、上記の二大宗教の対決の中で起こっていることなので、一つの事件の解決策を探ろうとしても無力感を感じてしまう。
キリスト教国教化以前のローマ帝国に小生としては郷愁の念を持ちます。あの頃はまだローマの神々が沢山いた。「絶対」なんて変な強制はなかった。そしてローマの英雄、先祖を敬っていた。
ローマ亡き後の地中海にあるのは、国柄や伝統に裏付けられた国家間の戦いというよりも、信仰によるゼロか百かの選択肢によって全てが裁かれた世に思えます。思想を堅持するのか、カメレオンのように外に適応して生き抜くのか。結局はジャイアンのように力のある者が理屈抜きに世を支配するんですね。そこでは話し合いや戦略、綱引きなど通用しないんです。ただただ、強い者が支配する。
現代はひょっとしてこの無情なる事実に目を瞑り、話し合いや交渉、条約等で解決できる、いやそれが当然であると過信してはいないだろうか。
塩野さんの著作を読むと、過去よりも現在のことを考えさせられます。次回の出版作品も今から楽しみにしております。
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